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そらげーです!
本作は、「イース」「軌跡」などファンタジーな世界観を題材としたシリーズを多く展開する日本ファルコムが初の現代劇として挑戦した作品です。2015年にPSVITAで「東京ザナドゥ」として発売され、2016年にPS4で追加要素を盛り込んだ「東京ザナドゥeX+」が発売されました。
因みに、ジュブナイルとは英単語で「少年少女」を表します。小説やゲームにおいては、少年少女の青春や葛藤を描いた作品がジュブナイル作品と呼ばれる傾向にあり、ペルソナシリーズや東京魔人学園シリーズが代表的なゲーム作品になります。
どんなゲーム?
おすすめ点
スピード感のある戦闘

アクション面は、イースを開発しているファルコムということで流石の安心感でした。
敵と仲間には属性があって、それぞれ相性が存在します。基本的にはその相性に合わせてキャラクターを入れ替えながら戦うことになります。
この入れ替えは瞬時に行われるので、変に戦闘が止まることはなかったです。
またeX+で追加されたEXスキルによって、ある程度気軽に広範囲技を出すことができるようになりました。これにより、従来では対処しにくかった多数に囲まれた場面なんかを切り抜けやすくなり、無双感が増しました。
X(クロス)ドライブで、パートナーと共闘できるようになったことも良かったですね。
より一緒に戦っている感じを味わえます。
しっかりと練りこまれたサブキャラ達の背景

軌跡シリーズでもそうですが、本作も仲間や敵のメインキャラクターだけでなく、クラスメイトや町の人々の多くにしっかりとした設定が盛り込まれています。ファルコムの特徴といえるかもしれません。
立ち絵まで用意されているのはホントにすごい!
クエストを達成したり、話しかけたりすることでどんどん設定が解放され、よりキャラクターの個性を知ることができるようになっています。
設定が解放されるタイミングは唐突に起きたりするので、ストーリーが進行するたびに全員に話しかけてしまいます。
わたしとしては、この点に最大の魅力を感じました。
シチュエーションにマッチしたBGM
ファルコムはFalcom jdk BANDという専門の音楽バンドチームを持つほど、音楽に力を入れている会社です。このゲームでもそれは存分に発揮されていて、場面にあった音楽を演出してくれます。
わたしが気に入ったのはダンジョン内の音楽で、疾走感があり、緊迫している状況でダンジョンを踏破している雰囲気を感じさせてくれました。
日常パートのBGMも、非常に落ち着つかせてくれる良曲で癒されます。
気になった点
モーションの拙さ

シナリオパートのモーションはそれほど気にならないのですが、戦闘時の攻撃や移動モーションは挙動が軽すぎて、躍動感が失われているように思いました。
移動は滑っているように見え、攻撃は力感がない印象を受けます。
その分スピード感はありますが、3Dモデルによって表現されているため、現実感のない挙動は非常に不自然に見えてしまいました。
没入感を損なうクリアランク要素

ダンジョンにはクリアランクの要素があって、倒した敵の数・壊したオブジェクト数・被ダメージ量・踏破時間などによって評価が下されます。
評価が高いほど、ステータスが上がりやすくなる仕組みです。
ジュブナイルをうたっている作品の多くは、ダンジョンやステージにも世界観をよく反映していて、それが探索の楽しさを生み出しています。
本作の場合、クリアランクがあるためにどうしても時間などを意識して攻略しなければいけません。再び訪れることもできるため、ランク追求・探索重視と分ければよいかもしれませんが、没入感はどうしても薄れてしまいます。
ダッシュの初期設定に難あり
ボタンの初期設定が回避とダッシュで同じR1ボタンに割り当てられている点は、プレイヤーにとって不親切な部分だったといえます。
このため、ダッシュを始めるには一度回避行動を挟むことになり、走りたい場面ではストレスを感じました。一応変更はできますがL3ボタンにしか空きがなかったため、わたしはやむなくそこにダッシュを設定していましたが、戦闘アクションを考慮すると初めから別ボタンにしてほしかったです。
【まとめ】人の優しさを感じるファルコムらしい作品

戦闘・育成・音楽・シナリオと、随所にファルコムらしさを出している作品と言えます。イースや軌跡シリーズが好きなら同じように楽しめる作品です。
ただそれが悪い点にもなっていて、世界観が現代であること以外は他のファルコム作品と相違ない印象を受けます。ペルソナシリーズのような浮き沈みのある展開を期待していた場合、シナリオは単調に感じるかもしれません。
シナリオ全体の感想としては描写が浅い印象で、終盤に差し掛かるほどそういった印象を受けてしまいました。特に、トゥルーエンドは人によって大きく評価が分かれるように思いました。
それでも、登場キャラクターのほとんどが誰かのために行動ができる人物で、それぞれの優しさを見せてくれます。いい人だらけのゲームです。
各人のエピソードを見るたびに感じられる人の好さは、この作品の魅力といえます。
万人におすすめできる作品とはなりませんが、ファルコムが好き・興味があるという方、人の優しさに触れたいといった方には、手に取ってもらいたい一本ですね。